3.薪の燃焼熱とストーブ材質の関係

針葉樹類の薪が、同じ体積でも広葉樹の薪に比べて二倍近い熱量を出す。それなら薪としては針葉樹類の薪が断然お得じゃないか、と喜んでばかりはいられません。何故なら今使っている薪ストーブの炉本体の鉄の材質によっては、この高温が仇になるからです。

最も広く普及している鋳物製のストーブでは、鋳物の耐熱温度が400度前後なので、それ以上の熱を与え続けると鋳物そのものが材質変化を起こし、ある時突然ひび割れたり、崩れたりと危険な状態になります。市販の洋物のストーブに温度計がついていて、そこの300度の辺りに赤い印が着いているのを見たことがありませんか。

これはその赤い印以上に温度を上げないでくださいという警告表示です。鋳物や市販の鉄板で出来ているストーブでは、針葉樹の薪は原則として使わない方が良いのです。

もし使うなら温度には最新の注意をして、焚き過ぎないようにする厳格な配慮が必要です。

市販の鉄板で作ったストーブでは、鋳物のように、いきなりひび割れる、崩れると言った心配はありませんが、座屈といって歪みによる変形が起こります。この場合も焚き過ぎに注意が必要です。